ピンチの時こそ社員に頼る!
これは「給料を減額してくれ!」「支払いを待ってくれ!」という訳ではありません。
そんなこ事をすれば社員は離れていきますし、信用不安であっという間に倒産です。
そうではなく、「社員の力を活用する」という意味です。
「活用するなんて当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、
私から見ると活用しきれてない会社がとても多いです。
社員の力を活用して年間1億円のコスト削減
これは私の前職での経験です。
あのリーマンショックが起きた時に、私は商社の香港現地法人で仕事をしていました。
世界中が大不況に陥る中、当然ながら自社の業績にも大きな影響を与えました。
そこでその現地法人が取り組んだ事が、
全社員を何グループかに分けて、それぞれのグループでコスト削減案を出し合い、
会社全体で1億円のコスト削減をしようというプロジェクトワークでした。
最後は全社員の前で各グループがプレゼンテーションを行います。
勿論、皆が苦しむような削減策ではなく、あくまで無駄をなくしたり、
視点を変えて業務プロセスを見直すというやり方です。
全社員が一生懸命考えて、プレゼンの日を迎えました。
各グループが順番に発表するのですが、これが大盛り上がり。
皆が出す案が面白いし、
コスト削減の効果(金額)を説明してくれるので
自分達の案が会社にどれだけ貢献できるかはっきり分かる。
「そんなに削減できるんだ!」と反応してくれます。
私も感心させられます。
また、現地の貧困街で育った、あるマネージャーが
「ウォーターサーバーはいらん!水道水で十分だ!」なんて言って、
「いやいや、それ~さんだから大丈夫なんだよ笑」といったツッコミが入ったりと和気あいあいです。
会社が危機の状況でも笑いが沢山起きる、とても素晴らしい空間でした。
また、このやり方だと実行も非常に簡単です。
何故ならトップダウンの押し付けではなく、自分達で考えた案だからです。
人間は人から言われた事よりも、自分で気づいた事・考えた事の方が行動に移る確率が何倍も高くなります。
更に、減額した分の一部でも社員に還元されると、より動機付けになるでしょう。
勿論、大前提として経営者と社員の日頃の信頼関係が大事です。
●参加意識、貢献意識、活気が出る
上記のように、トップダウンだけではなく、社員の力を頼ることで、
社員の危機対応の参加意識も、会社への貢献意識が高まります。
やはり人間というのは「何かに貢献」できた時に大きな喜びを見出します。
マズローの欲求段階説でいうところの自己実現(貢献)欲求が満たされるのです。
また、何より活気が出ます。
危機の時に活気が出る会社は強いです。
そのため、危機の時社員の力にどんどん頼るべきだと思います。
勿論、会社が大きく傾くような状況においては経営者のリーダーシップがものを言いますが、
まだ比較的余力が残っている状態であれば、全社員が協力しあう方が良い結果が生まれやすいと思います。
●中小企業・若手社員によるIT化プロジェクト
今、ある中小企業のお客様で若手社員でプロジェクトチームを組んで、
社内のIT化について検討してもらっています。
ものによってはそのメンバーと我々で補助金の申請も行います。
このようなご時世なのでIT化できる部分はどんどん進めます。
業態的にテレワークは難しいのですが、ちょっとしたIT化でミスが減る、生産性が高くなる事は多々あります。
これには感度や吸収力の高い若手がうってつけです。
また、自分達でしかできない事で会社への貢献できるとなると社員のモチベーションも上がり、
彼らの自信になります。
人材育成も兼ねたプロジェクトです。
このようなご時世だからこそ、社員の力に頼る、特に若手社員の力の活用を考えてみては如何でしょうか。
コロナをピンチではなく、社員の結束力や成長につなげるチャンスに変えることができると思います。
以上
弊社は人材育成会社ですが、単なる研修だけではなく、上記のような取り組みも行っております。
社内で何か取り組んでみたい事がございましたらお気軽にご連絡下さい。
https://humanjapan.jp/#services